ネットを検索していると古いウェブページに当たることがあります。
記事が古くなってしまったのか、リンクが切られてデータだけが残されているページ。
先日、私が見つけたものは
内容からして、ページの公開は恐らく90年代中頃から後半かと思われるものでした。
その中に「蒸留所への手紙」というものがあり、
40篇ほどあったのですが、その中で私がよかったと思ったものを一つ紹介します。
(手紙の内容自体は90年代よりもっと古いかもしれません)
『オン・ザ・リトル・ロック』

エルギン出身のマックガイル夫人がロスアンジェルスから丸い石ころを一つ、
蒸溜所に送ってきました。以下は同封されていた手紙。
私は20年程前エルギンで、巡回してきたサーカスの道化師に恋をし、
貴蒸溜所近くのスペイ川のほとりを散策した時、自分から求婚したのです。
すると、彼は丸い石ころを拾って「これが僕だよ」といいました。
ローリング・ストーン*だから幸せにできないということのようでした。
「いいわよ。私もその石ころになるから」といい、
以来、二人で貧しいけれど仲良く世界中を転がってきたのです。
彼は芸に厳しく、本物にこだわる人。お酒はお金もないくせに、ザ・マッカラン。
氷が買えなくて、結婚以来の我家の宝石、同封の石ころを代用して
「オン・ザ・リトル・ロック」としゃれる夜もしばしばです。
自分の芸に誇りをもつ彼は、去年、引退を決意し、小さな家を買いました。
ローリング・ストーンズ生活を終えるのは少しさびしいのですが感謝して、
思い出の石ころもお家に返すことにしました。
蒸溜所脇のスペイの河原において下されば幸いです。
*The rolling stone gathers no moss(転石苔むさず=引っ越しを重ねる人はお金もたまらない)